らんのものおき

翻訳とか、映画の感想とか、日記とか、その他思ったこととか。

オタ活日誌(2021年下半期)

前回までのあらすじはこちら↓

https://ranran-k.hatenablog.com/entry/2021/12/04/005604

 

2021年8月上旬

 嬉しいことに10連休をもらったので、家でひたすら映画を観つつ次のドイツ語検定へ向けて文法の勉強をした。

 

8月14日

『スポンジ・ボブ ミュージカル:ライブ・オン・ステージ』配信
 素晴らしいミュージカルだった。なんだかツイッターでも盛り上がっていて、これを機に新しいフォロワーさんも増えたりして、久しぶりのお祭りって感じ。
 でもドイツ語検定があるから、新しいジャンルにハマりすぎないように気をつけなければ。

 

8月下旬

 スポンジボブミュージカルが忘れられない。実はあの後も何度か配信があって私は運良く3回観ることができた。でもまだまだ観たい。気がつけば私は、仕事から帰ると毎日ハンバーガーを食べながらスポンジボブのアニメを観るだけの人間と化していた。

 

9月1日

 ドイツ語検定3級の申し込みをした。試験は12月5日。こういうことは早めにやっておかないと後から面倒になってしまう。新たなジャンルに足を取られずにちゃんと勉強しなくては。

 

9月21日

 スポンジボブミュージカルのブルーレイが届いた。やっぱり家で何度でも観たい。日本のアマゾンになかったからアメリカのアマゾンアカウントを作って海外から取り寄せてしまった。しかし実は待っている間にも観たすぎてニコロデオンに再加入し配信版を観たりしていた。本当に最高なミュージカルだ。

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9月23日

独検合格4週間neu 3級』
 少しずつ進めていたテキストの1冊目が終わった。4級でもお世話になったneuシリーズ。最後の模擬試験の結果は49.64点。合格まであと10点ほど足りない。あと2ヶ月頑張ろう。

 

10月3日

『これからのヴァギナの話をしよう』『フェアプレイ』
 ドイツ語のテキストを1つ終わらせたから、少し休憩。久しぶりの読書。ずっと気になっていた2冊を読んだ。さて、ドイツ語に戻らなくては。

 

10月3日

 ところでその日私は変な夢を見たんだ。とあるイマーシブシアター(観客が施設内を自由に歩き回ったり、演者と話したりできる体験型演劇のこと)に参加した夢で、それがとてつもなく面白かった。目が覚めたときにそれが実在しないことが悲しいくらいに面白かった。以下がそのときの私のツイート文である。わけが分からないので興味がない人は飛ばしてください。

 夢はTLで『カラマーゾフの兄弟』のイマーシブシアターが話題になっているところから。
 舞台は使ってない学校で、全5階くらいに計100以上の部屋がある。それぞれの部屋の入口は軽い鉄扉になってて『映画撮影』『スタジオ』『病院』などその部屋のタイトルが書いてある。基本的に好きな部屋を自由に観て回るスタイル。
 どこの階から見ても後々ストーリーが繋がるらしいけど、フォロワーさん曰く4階からがオススメらしい。最初は演者はあんまりいなくて、それぞれの部屋がコンセプトで飾られている感じ。
 フォロワーさんからのお薦めで私は4階から観始めて、最初は人のいない撮影スタジオとか寝室しかなかった。でも少しずつその部屋部屋がある特定の人物が目にした光景であることに気づく(たぶんそれがカラマーゾフの兄弟の誰か)。4階からを勧められたのは4階のメインキャラクターが単にフォロワーさんの推しだったからかもしれない。
 最初はなんともなかったけど『自殺』ってタイトルの部屋に入ったとこから急に様子がおかしくなった。その部屋は人がいない暗い寝室で、ベッドの脇に何かが映ってる白黒のテレビと、何かが入っている箱が置いてあった。暗くてよく見えない。
 途中で恐くなって外に出たら廊下がさっきまでと全く違ってた。部屋を出ると廊下の電気が消えてて、ところどころに赤いライトがある。床が濡れてて、遠くから火花が散って悲鳴が聞こえた。とりあえず右に進むとトイレと物置があって、同じくこのゾーンに入ってしまった人達と合流できた。(そういえば舞台は学校って言ったけど作りが完全にうちの職場のビルだ) 
 で、このゾーンから次の部屋に行こうと彷徨ってるところで目が覚めたんだけど、フォロワーさん曰くこういう仕掛けが沢山あるらしい。TLには既に全ての部屋を観たって人もけっこういて、私も全部観たかったな。まだ全然ストーリー繋がってなかったのに。

 何がおかしいって、私は『カラマーゾフの兄弟』を読んだこともなければ、ストーリーすら碌に知らないのである。なのになぜこんな夢を見たかといえば、それはきっと前日にツイッターで誰かが『カラマーゾフの兄弟』の話をしていたからだ。
 しかしこんな夢を見せられては読まずにはいられない。夢のお告げには従うべきである。私はその日の朝のうちにアマゾンで『カラマーゾフの兄弟』上中下巻セットを注文していた。上中下巻ある本に手を出す、それは試験前に一番やってはいけないことだ。

 

10月4日〜9日

カラマーゾフの兄弟(上)』

10月10日〜13日

カラマーゾフの兄弟(中)』

10月14日〜17日

カラマーゾフの兄弟(下)』
 お気づきだろうか、遅読で有名な私にしては驚異の読了スピードである。というのも私はこの間あまりに熱中しすぎて家事の全てを放ったらかし、食事はほとんどコンビニ弁当で、挙句寝不足で体調を崩しかけているのだ。

 

10月26日

『100分de名著 カラマーゾフの兄弟 NHKテキスト』
 タイミングよく来月から100分de名著のカラマーゾフ再放送があるらしく、本屋で公式テキストを見かけたので買ってしまった。これがもう、小説の記述に歴史的事実で体当たり解釈していくような、めちゃくちゃに面白い解説で、本当に買って良かった。

 

10月31日

『ポンス・ピラト』
 以前聖書関連作品にハマってた時期に名前だけ聞いていたこちらの本、「イワン・カラマーゾフが書きそう」という感想を聞いたので。かなり無神論寄りな作品だった。神のいない世界の聖書創作、あまりに空虚で放心してしまうよ。

 

11月5日

『大審問官ー自由なき楽園の支配者』
 カラマーゾフの兄弟第五篇「プロとコントラ」より、人気すぎてそれだけで本が出てしまった「大審問官」。原訳とは違ってタメ口のアリョーシャとヴィランみの強い老審問官に出会える可愛らしい新訳付き。

 

11月6日

独検合格らくらく30日 3級』
 待ってくれ!私さっき別のジャンルに足を踏み入れそうになってなかった!?ドイツ語検定まであと1ヶ月切ってるよ!!!迂闊にも貴重な1ヶ月をほとんど『カラマーゾフの兄弟』に費やしてしまった。だからこのテキストを1日だけ開いた。この1日だけ。

 

11月11日

『ユダ イエスを裏切った男』
 久しぶりのユダ関連本、と思いきや作者の『カラマーゾフの兄弟』推しがめちゃくちゃ強い。全200ページ強で計4箇所もカラマーゾフの話をしている。聖書の話をしつつ同時にカラマーゾフ解釈が捗る面白い本だった。

 

11月17日

ニーチェ入門』

 私には『カラマーゾフの兄弟』を深く理解するための歴史・宗教・哲学のあらゆる知識が足りていない。特に哲学には弱い。だからまずはここから始めてみようと思う。とても分かりやすい本で、これなら私もなんとかニーチェと仲良くなれそう。

 

12月5日

バタイユ入門』

 なぜ次はバタイユかって、最近噂の韓国ミュージカル『ブラザーズ・カラマーゾフ』からすごく神秘主義の香りがするから。主にスメルジャコフから神秘主義の香りがする。実際に読んでみて「これスメルジャコフの話してる?」って箇所がいくつもあってすごく面白かった。

 

12月5日

 ところで、その『バタイユ入門』を読了したのは何の日だったでしょうか?そう、ドイツ語検定の試験日で〜す!

 ご想像の通り全く勉強していなかったんだけど、そのうえ前日の夜中までバタイユに入門していたもので、当日、寝坊しました。で、試験をすっぽかしました。だって、片道1時間半で朝9時半集合なんだもの。ごめんなさい。本当にごめんなさい。

 

12月6日

『ブラザーズ・カラマーゾフ』配信

 韓国で話題の『カラマーゾフの兄弟』を原作にしたミュージカル。配信チケットを買うのにいろいろ登録が必要だったり、映像に字幕がなかったりで大変だったんだけど、韓国ミュージカルファンの方から、日本のドストエフスキーオタクの方から、さらには韓国のドストエフスキーオタクの方からの協力があって観ることができた。こういとき本当にツイッターがあって良かったと思う。ありがとうツイッター

 もうスメルジャコフがめちゃくちゃ原作のイメージ通りで、あとイワンが可哀想で可哀想で!あんなに神の存在に縋り付いているイワンを私ははじめて観たよ!つらい!!

 

12月11日

 見て〜!『ブラザーズ・カラマーゾフ』のOSTが届いたよ〜!嬉しい!

 はじめて韓国からCDを取り寄せてしまった。これで毎日聴ける。

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12月15日~12月17日

フジテレビドラマ版『カラマーゾフの兄弟

 たびたび話題を目にするこちらのドラマ版、舞台を現代日本に置き換えた翻案で、原作と違うところが沢山あるんだけど、その違いも面白かった。これ観るためにFODに登録しちゃった。

 

12月9日~12月22日

カラマーゾフの兄弟 第一巻』

 また同じの読んでるのかって?違うんだ、今回は岩波文庫版なんだ。前に読んだのは新潮文庫版。訳が違うってことはもう別物です。新潮の原訳と違ってこっちの米川訳は古くて味わい深いところがある。今回はじっくりゆっくり読むよ。

 

12月20日

『ブラザーズ・カラマーゾフ』配信

 2回目だよ!今回はキャスト違いで初めて観るバージョン。

 アリョーシャがめちゃくちゃ恐い!原作初読のときはアリョーシャって優しい天使なイメージだったけど、色んな翻案を観たり読み返していくなかでどんどん天使だけじゃないところが見えてきて、今回のキャストはそのアリョーシャの天使じゃない部分を煮詰めたような演技だった。

 キャスト違いでここまで解釈が違って見える韓国舞台、ハマったら沼である。

 

12月26日

宝塚版『カラマーゾフの兄弟

 カラマーゾフのミュージカルは韓国だけじゃないんだな!宝塚もやっていた!

 ひたすら辛くて心抉られる韓国版とは違い、こちらの宝塚版は派手で楽しい。イワンが社会主義の革命結社に入っていて大審問官を踊ったりする。それから翻案でなかなか取り上げてくれないギターを弾くスメルジャコフのシーンがあったのも嬉しかった。

 

 

⭐︎2021年のまとめ⭐︎

 もともと今年の目標は「ドイツ語を頑張る」だったけど、1から勉強し始めて夏に4級に合格できたので良いのではないかしら。『エリザベート』のサントラが少しずつ聞き取れるようになってきたのは嬉しい。突然ロシアが向こうからやってきたのは完全に予想外だけど、オタ活はいつも予定通りにはいかない、番狂わせが面白い。次は『ブラザーズ・カラマーゾフ』のサントラ(韓国語)を聞き取れるようになりたい。

 来年の目標はドストエフスキー五大長編を読むこと。それから、哲学書をちゃんと読めるようになりたいな。哲学関係は入門書以外積んでばかりいるから。

来年も良いオタ活ができますように。

 

 

『フィアー・ストリート』感想

※このnoteには『オズの魔法使』『ウィキッド』『フィアー・ストリート』のネタバレが存分に含まれています。未見の方はご注意を。

 

 Netflixで配信中の『フィアー・ストリート』3部作、これがもうはちゃめちゃに良かったので、ちょっと長い感想をば。観ながらなんだか『オズの魔法使』がクィアカルチャーに与えた影響の偉大さを感じてしまったので、その話を織り交ぜながら書こうと思う。

 まず『オズの魔法使』が映画化されたのは1939年の話。ゲイアイコンとして有名なジュディ・ガーランドの主演で、主題歌”Over the Rainbow(虹の彼方に)”は歴史上最も重要なゲイアンセムと言っても過言ではない。虹の彼方にきっとあるどこか素晴らしい場所をセクシュアルマイノリティが自由に生きられる場所に擬え、何十年もの間親しまれてきた。レインボーフラッグがこの”Over the Rainbow”に着想を得て作られたという説もある。

 しかし、『オズの魔法使』の物語そのものを観てみると、マイノリティに優しいものとは言い難いところがある。有名な台詞の”There’s no place like home(おうちが一番)”だって、当時はそのhomeからジェンダーセクシュアリティを理由に追い出されたり蔑まれたりした人が沢山いた時代である。そして、本作の悪役である西の悪い魔女は見かけにも明らかに普通の人間とは違う異質な者として描写され、主人公サイドの敵となった。

 そんななか、この『オズの魔法使』を取り巻く諸々に大きな変化をもたらしたのが2003年、ミュージカルの『ウィキッド』である。悪役だった西の悪い魔女「エルファバ」をその肌の色と魔力ゆえのマイノリティ性を持つキャラクターにし、彼女が周りの圧力に逆らい自分の力を発揮する姿は多くの人に感動を与えた。劇中歌”Defying Gravity(自由を求めて)”もまた有名なゲイアンセムの一つである。”Over the Rainbow”と比べてみるとその内容の違いからセクシュアルマイノリティを取り巻く状況の変化が垣間見れるだろう。目には見えないけれどきっとどこかにある自由に生きられる場所を夢見る歌から、誰になんと言われても自分のありのままの姿で自由に生きることの歌へ変わったのである。

※ゲイアンセムについてはこちらのWikipediaがシンプルにまとまっていて分かりやすいので興味があればご一読を。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B2%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%A0


 『ウィキッド』では物語の終盤、エルファバは西の悪い魔女として死んだこととなり、自分の無実をオズの国の人々に証明することがないまま、どこか遠い土地へと旅立って行く。そう、エルファバは自由に生きる道を見つけたものの、表向きには悪者として多数の人に記憶される運命なのだ。

 これに一つの終止符を打ったのがこの『フィアー・ストリート』シリーズである。はい、ここからが本題!前置きが長かったね!

 『オズの魔法使』『ウィキッド』ではあくまで観客側がセクシュアルマイノリティを取り巻く現実と重ねて観ただけで、物語内にそれを示唆するものはなかった。エルファバもおそらく異性愛者だし。一方『フィアー・ストリート』では、主人公となるレズビアンの女の子がガールフレンドと共に魔女の呪いに立ち向かっていく。

 だがちょっと待てと。魔女をそんな安易に悪役にして良いのか?昔から魔女として魔女裁判にかけられた人の中には、同性愛を理由に魔女と疑われ殺された者もいたと言うではないか。西の悪い魔女とセクシュアルマイノリティを取り巻く諸々はそんなところからも繋がっているのを忘れてはならないぞ。私達も時代が違えば魔女だったのだ。首を括られ、または水をかけられ殺されていたかもしれないのだ。それに立ち向かうのがレズビアンの主人公って、大丈夫なのか?と思ったのも束の間。全ての予感を良い意味で裏切ってくれた。そう、これはエルファバの無罪を証明する話なのだ。1作目の序盤で『オズの魔法使』の西の悪い魔女の仮装をした生徒が登場するのも、制作陣の意図に違いない。

 時代が違えば殺され、後世まで悪者として語り継がれたかもしれない私達、その無罪を晴らすのは他でもなく私達自身なのだと、この映画は語りかけてくる。ここでpart3の魔女サラ・フィアーを主人公ディーナが演じる構成が効いてくるのだ。彼女も私達と同じ、異質な存在だった。その怒りに触れることができるのも、虐げられた歴史に終止符を打てるのも、今を生きる私達だ。これはもう「ホラー映画でレズビアンの子が主人公なのが良いねえ」とかいうレベルではない、今までの歴史への壮大なリベンジ映画である。

 また『ウィキッド』ではどこか別の場所で自由に生きることとなったエルファバも、本来ならそんな負担は負わなくてよい筈だった。どうして虐げられた側が出ていかなくてはならないのか。『フィアー・ストリート』では、ディーナが魔女の呪いの真実を見つけサラ・フィアーの無念を晴らし、その場所でガールフレンドとキスするシーンでエンディングとなる。私達が自由に生きられる場所は「ここではないどこか」ではなく、ここなのだ。ここで自由に生きられるようになるまで、私達の闘いは続いていく。There’s no place like homeと心から言える日がくるまで。

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』1981年2月24日付第一原稿 日本語訳

 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』第一原稿の、マーティが過去に行くシーンまでを日本語訳しました。現在の映画とは設定が異なる部分が多々あります。

ロバート・ゼメキス、ボブ・ゲイル 作
第一原稿 1981年2月24日 
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【フェードイン】
【宇宙】 
(宇宙船がジョン・ウィリアムズの曲とともにデビルズタワーから宇宙へと飛び立っていく。やがて視聴者は、それが『未知との遭遇』のラストシーンであることに気づく。『未知との遭遇』 のエンドタイトルが流れる。)
(カメラが引いてテレビ画面が映る)
(更にカメラが引くと、ビデオテープの山が見え、『未知との遭遇』の海賊版ビデオが作られて いる。)
【ビデオ製作所、研究所 昼間】 
(海賊版ビデオの製造機を操作しているのは、17歳の少年、マーティ・マクフライ。彼は銀色の ポルシェのジャケットを着て、いかにもイマドキの若者といった感じ。マーティはローリング ストーンの雑誌に載ったギターアンプの広告を見ている。) 
(映画が終わると、マーティはビデオ製造機を切り、ビデオカセットを取り出し、そこに『未知 との遭遇 オリジナル・エディション』と書く。) 
(マーティはビデオを引き出しにしまう。引き出しの中には『スター・ウォーズ エピソード5/ 帝国の逆襲』『スター・クレイジー』『スーパーマン2』などのビデオが見える。)

 (マーティがビデオと教科書をかかえ、別の部屋へ行く。そこは大きな研究所で、机の上は実験 用の機械で溢れかえっている。そこは古くて埃っぽく、50年代の変人科学者の部屋といった感 じである。そこで年老いた男性が一人、研究所の片隅にある機械をいじっている。)
マーティ: ブラウン教授!もう8時半なので、僕そろそろ行きますね。
教授: シーッ! 
(おそらく60代後半ぐらいであろうエメット・ブラウン教授が、ソーラーセルのような装置を 太陽のもとに動かし、日光に当てようとしている。彼はエキセントリックで掴みどころがない が、とても優しく、研究に熱心な人だ。) 
(マーティが教授のところへ近づいていき、彼が研究しているものを見る。その装置は30年ほど昔のものに見える。教授は電池の中に謎の液体を流し込み、その電池についたプラグをメー ターに繋ぐ。すると、パネル上の電球がぼんやりと光り、メーターの針がわずかに動く。) 
教授: 動け!あとほんの24ボルトだ! 
(ブラウン教授がフラスコを投げ捨て、それが壁にぶつかって粉々に砕け散る)
教授: (太陽を指差し) 100万個の水素爆弾の威力が... (装置を指差し) それから24ボルトの電流 があれば... いや、これじゃいかん!私は1949年からずっとこのパワーコンバーターの開発に力を注いできた。それだけの時間があれば、放射能を電気エネルギーに変換させる薬品のひとつも見つかりそうなもんだ!だが、だめだった!33年の月日を犠牲に研究に打ち込んで、得たものは海賊版ビデオの製造機だけだ!
マーティ: それで思い出した!もっとビデオを作って35mmフィルムの店を経営できるくらいになれば、供給会社の映写技師と手を結べるかもしれません。そうすれば、公開前の映画だって ビデオにして売ることができるんですよ!
教授: 35mmフィルムの店か...。それなら私も手伝おう。 (教授がパワーコンバーターを見ながら考え込む)

 (マーティが教授のもとから離れ、別のドアの前に立つ。そのドアには5つもの鍵が掛かってい る。マーティがドアを開けようとするが、当然開かない。)
教授: そんなに中が見たいかね?マーティ。 
(教授が後ろを向いたままマーティに問いかける。マーティは笑みを浮かべる。)
マーティ: (笑みを浮かべながら)いつか教授がこのドアの鍵をかけ忘れたら、絶対中を見てやりますよ。
教授: 幾つかのドアには訳あって鍵がかかっている、そう考えたことはないかね?
マーティ: いいえ。その訳を知るにはドアを開くのを待つしかないですね。放課後に会いましょ う。
教授: ちょっと待て、マーティ。今何時だ?
マーティ: 8時半です。
教授: 午前か?午後か?
マーティ: 午前ですよ、教授。太陽が昇ってるじゃないですか 教授: あぁ、そうだったか。
マーティ: もう、部屋中時計だらけなのに全く時間の感覚がないんですから。 
(ブラウン教授の部屋は時計で溢れている)
教授: たしかに私には時間の感覚はないかもしれんが、時間そのものに関しての知識は誰にも負 けんよ。
(ブラウン教授が話しながらマーティのもとに歩いてくる)
教授: 時間というのは、それ自体が独自の次元を持っており、それはコントロールされた...... 
(教授の話にうんざりしたマーティが階段へ向かう)
マーティ: また後で会いましょう。
(マーティが出ていく)
教授: ついに旅立ちの時だな......
(教授がドアを開けて別の部屋に入っていく)

 【鍵のかかった部屋】 
(部屋の中には40年代か50年代のものとみられる妙な機器が置かれている。その端には幾つか のレンズが取り付けられており、そこからビームのようなものが出るのではないかと予想され る)
(教授が自分の発明品を見ながら)
教授: あとは動力だけあれば......。

【マーティと階段】
(マーティが階段を降りて通りへ繋がるドアを開ける)

【オペラ劇場の建物 昼間】 
(マーティが廃墟になったオペラ劇場から外へ出る。その劇場の3階がさっきの研究所である。) 
(その劇場はすでに廃墟になっており、外には"ASSEMBLY OF CHRIST"という文字が張り出さ れている)
(周辺の建物も劇場同様に廃れており、かつては賑わっていたであろう面影が残る) 
(その先の小道には"N.R.C."と書かれた黒いバンが停めてあり、2人の男がマーティを気にも留 めず排水をチューブに流し込んでいる) 
(マーティはその通りで唯一商売が続いている"ウィルソンズ・カフェ"に入る)

【ウィルソンズ・カフェ】 
(マーティがカフェに入る。カウンターには35歳の店主、ディック・ウィルソンが立っている。 彼は太っていて、キャンディーバーを食べている)
マーティ: おはよう、ディックさん 
ディック: やあマーティ。今日は何にする?
 マーティ: チリとフライと、それからタブを頼むよ 
(マーティが雑誌のスポーツページに目をやっていると、ディックがタブを持ってくる) 
ディック: ロバー・ビスケットがアーリントンで第3レースに出場、か。
マーティ: ディックさん、あの外の排水にいる男達は?
ディック:(肩をすくめ) 今週に入ってもう3度目だ
(マーティが彼らを見やる)
マーティ: N.R.Cってなんなんだい?
ディック: さあな。国際キャッシュ・レジスター(National Cash Register)かなんかの略か?

【科学の教科書】 
(「1952年3月18日、ネバダ州、アトキンス。最新の地上核実験」という説明文がついたキノ コ雲の写真。その雲の部分に「M・M +S・P」と落書きをする手。その手は、そこにハート型 の矢を描き、「土曜日にダンスに行かない?きっと"吹っ飛んじゃう"くらい楽しいよ」と続ける。)

【科学の授業】 
(先ほどの落書きをしていたのはマーティ・マクフライの手。マーティは授業に全く集中してい ない。講義をしているのは55歳のアーキー先生で、彼はとても機嫌が悪そうだ。) 
アーキー先生: アメリカでの地上核実験は合計でたった3回しか行われていない。政府はその全てにおいて放射能の影響を調査したんだ。実験においては、家にテレビに冷蔵庫、その他にも一般家庭にあるような物は全部設置された。科学者達はそれによって原子爆弾が町に及ぼす影響を調査しようとしたんだ。それから、町の住人もマネキンで再現し......

 (マーティは先ほどのページを教科書から破くと、斜め後ろの席に座った可愛い女性、スー ジー・パーカーにウインクをする。2人は笑いあい、マーティは彼女に破ったページを投げ渡す)
アーキー先生: しかし、実験から30年経って分かっていることは、核エネルギーの破壊力は今までにないほど強力だということだ。核が持つ破壊力について、君達も一度は考えたことがあるだろう。何か質問や意見のある者は?誰かいるか? 
(生徒からはなんの反応もなく、誰も手を挙げず、興味すら示さない)
アーキー先生: 地球全体を破壊する威力の話をしてるんだぞ?何も言うことがないってことはな いだろう。
(誰も何も言わない)
(先生はイライラし始める)
アーキー先生: ジャクソン君、君はどうだね?何か意見はないのか? 
(ジャクソンは何も言わない) 
(スージーがマーティに貰った教科書の切れ端に何かを書くと、それを折りたたんでマーティに 投げ返す。それがマーティの近くの床に落ちる。マーティが拾う)
アーキー先生: ゴメス君、何か意見は?パーカーさん?クランプ君?何かないかね? 
(マーティが紙を開く)

【教科書の切れ端】 
(キノコ雲の横には「それサイコー」と書かれており、その裏面には「もちろんよ」と書かれて いる)

【再び授業風景】
(マーティが微笑む)
アーキー先生: 君はどうだね?マクフライ君。 
(マーティは切れ端を畳んで急いでポケットにしまう)

 マーティ: えっと、僕の意見はですね、その、面白かったです。
アーキー先生: 核で町が破壊されるのが面白かったって?
マーティ: いや、破壊されるのがじゃなくて.....
アーキー先生: (他の生徒達に向かって) マクフライ君は核で町が破壊されるのが面白いんだそう だ!
マーティ: いや、そんなこと言ってませんよ!
アーキー先生: (マーティの話を聞かずに) その態度が気に食わん、マクフライ!お前は「面白いから100メガトンの核爆弾を爆発させてみよう」なんて言いかねんからな。
マーティ: (怒りながら、先生に聞こえない小さな声で) ああ、あんたのケツの中で爆発させたら面白いだろうよ。
アーキー先生: だが残念ながら、このまま行くと君達は本当に地球が破壊されるのを見ることになるかもしれん。そうじゃなくとも、天然資源の枯渇は今大きな問題だ。それから君達が今吸っている空気、それに川や湖の汚染だって無視できない。将来的には石油だって使い果たしてしまうだろう。いや、それだけじゃない、私達が持つ全てのエネルギー資源が危機に瀕して いる。そんなことがこの先いくらでも起こりうるんだ。どうだ、"面白い"かね?
マーティ: ああ、アーキー先生、もうやめてくださいよ!僕まだ17歳なんだから!そんな問題 背負いこめるわけないじゃないですか!
(先生が真面目になってため息をつく)
アーキー先生: もちろんそんな必要はない。その問題自体においてはな。だがその解決策は君達自身も考えなければならん。
(授業終了のベルが鳴り、生徒達が出口へ向かう)
アーキー先生: ではまた明日。

【高校】
 (生徒達が校舎から出てくる。そこはごく普通の高校で、煉瓦の壁の横にはカシの木が立ってい る。壁には幾つかの落書きがあり、板が張られている窓が1、2つある) 
(学校が終わった生徒達は、いつものようにタバコを吸ったり、飲酒をしたり、ぶらぶらしたり、 男は女を、女は男を追いかけたり、車を見せびらかしたりしている) 
(マーティは子供達の輪の中に入り、こっそりとビデオを売っている。ラルフ・ニュートンがマー ティに近づく)
ニュートン: よう、マーティ。週末まで50ドル貸してくれよ、いいだろ?最後の20ドルを使っ ちまったんだ。
マーティ: 無理だって。新しいアンプを買うために貯金してるんだ。
ニュートン: いいじゃないか、お前がロックスターになった時のために貸しを作っとくと思って さ。
マーティ: 勘弁してくれよ!(時計を見る) 僕もう行かなきゃ。
(マーティの隣にいるのは彼の友人ドナルドソン)
ドナルドソン: なあ、いつものは時計どうしたんだ?
マーティ: 修理中なんだ。だからこのアンティークがそれまでの代わりってわけ。このからくり見てみろよ。 (マーティがからくりのついた金の腕時計を見せる。マーティは札束をポケットに突っ込む。ドナルドソンが階段を降りる)
ドナルドソン: なあ、一緒に来ないか?一杯やろうぜ?
マーティ: また明日な。ビデオ売んなきゃ。
ドナルドソン: なあ、そういや、俺の兄貴が来週結婚するんだ。それで今度パーティをやるんだ けど、お前、何かパフォーマンスできないか?
マーティ: ああ、今日の午後なんとかするよ。

 【研究室とマーティ 昼間】 
(深い興奮気味な喘ぎ声と、ポルノ映画のサウンドエフェクトが聞こえる。マーティは手を震わせながらそれを見ている)(その映画の画面はカメラには映らない)
(マーティがテレビの音量を下げる。彼はポルノ映画のコピー版を作っているのだ) 
(マーティはベンチの上にあるタバコの箱に札束を詰めると、研究室の別の部屋へと行く)

【研究室、ブラウン教授の住居スペース】 
(ブラウン教授がブランケットに包まれながら簡易ベッドで寝ている。その横には古い冷蔵庫と ホットプレートがあり、剥き出しのパイプには衣服が掛かっている。マーティは冷蔵庫を開けると、コーラを取り出す。マーティは不注意でオレンジを落としてし まい、それはベッドの下へと転がっていく) 
(マーティはベッドの下にかがみ、オレンジを取ろうとする。マーティがブランケットをどけると、そこにあった物を見て驚く)
(そこにあるのは一つの箱) 
(その箱には紫の放射能マークがついており、「危険!放射性プルトニウム!関係者以外使用禁止!扱う際は必ず防護服を着用してください!」と書かれている。その下には「カリフォルニア州 サン・オノフル / サン・オノフル原子力発電所 所有物」と書かれており、その横にオレンジが転がっている) 
(マーティは深く深呼吸をする。マーティは足でそのオレンジを箱から遠ざけると、慎重にベッ ドから離れてオレンジをゴミ箱に入れる。ブラウン教授はまだぐっすり寝ている) 
(マーティはコーラの蓋を開けて一口飲むと、猿(手回しオルガンを演奏しているような小さい 猿)が入っているケージへと向かう)
マーティ: やあ、シェンプ。調子はどう?

 (シェンプは赤のコートを着、帽子を被っている。マーティがケージを開けると、シェンプは マーティの肩に登る) 
(マーティはパワーコンバーターがあるところへと向かう。その近くには古い青写真が沢山ある。マーティがそれに目をやる)
(青写真) 
(青写真の一番上には「電光化学パワーコンバーター」と書かれた写真があり、その写真はベン チの上にある発明品と同じ物だ。その他にも「15チューブ自動執事ロボ」というロボットや、 「飛行モービル」という空飛ぶ車、それに「全自動ペン」というワイヤーのような物がついた ペンなどの写真がある) 
(マーティはパワーコンバーターを調べ始める。午後の日差しが写真の上に降り注いでいる。化学薬品が入っている仕切りからじょうごが飛び出ている。マーティは興味本位でその中にコー ラを注ぐ。すると、いきなり別の機械から火の粉が飛び散り、マーティは驚いて飛び上がる) 
(ブラウン教授が跳び起きると、辺りを見回し、パワーコンバーターのもとへ行く)
ブラウン教授: 何があったんだ!?
マーティ: その、よく分かんないんですが、間違ってコーラをこぼしちゃって。落としちゃった んです。
(ブラウン教授がボルトメーターと電球を見る)
ブラウン教授: 貸したまえ! 
(ブラウン教授はマーティのコーラを少しだけじょうごの中に注ぎ込む。すると、電球が光り、 ボルトメーターの針は跳び上がり、機械全体が音を立て始める) 
(ブラウン教授がさらにコーラを注ぐ。電球がさらに激しく光りだし、破裂する。ボルトメー ターの針は振り切れ、パワーコンバーターは激しく揺れてベンチに倒れる) 
(ブラウン教授は信じられないといった様子で両手を震わせている。それはまるで部屋の中をイエス・キリストが歩いているのを見たような驚きである。彼はボトルの構成成分表を見る)

 ブラウン教授: 何が入ってるんだ?
マーティ: さあね、コーラ作り方なんて誰も知りませんよ。世界最大の謎ですから。
(ブラウン教授は考えごとをしながら、パワーコンバーターを立て直して鍵のかかった部屋へと 向かう。彼は鍵を外し始めると、マーティを見て言う)
ブラウン教授: また明日会おう 
(ブラウン教授はパワーコンバーターとともに部屋の中に入ると、また内側から鍵をかける)

【マーティの寝室 夜】 
(マーティはヘッドホンをつけて、ステレオから流れるレコードの音楽と共にギターを弾いている。彼の寝室の壁にはロックスターのポスターがいくつか掛かっている。その部屋には、もう ここには住んでいない彼の兄のベッドと家具も置いてある) 
(マーティはギターを弾きながら部屋の中を歩きまわると、ギターのネックを使って机やタンス の上にある雑誌をどかし始める。彼は何かを探している。『ローリングストーン』をどかす と、そこには幾つかの工具が、さらに『ヘビー・メタル』と『ランプーン』をどかすと、そこ には宿題の束がある) 
(レコードが終わると、マーティとヘッドホンを外し、ドアの外に向かって叫ぶ)
マーティ: ドリル盗んだの誰!?
(女性の声が答える)
女性(画面には映らない): 夕飯の時間よ!

マクフライ家 夜】 
(マーティは階段を降りてリビングへ行く。家の家具は使い古されている。47歳のジョージ・マ クフライはテレビでボクシングの試合に夢中である。彼は禿げていて、平凡で、人生に退屈している人間だ)

 マーティ: 誰かドリル見なかった? 
(父からの反応はない。47歳の母・エレンはキッチンから顔を覗かせている。彼女はかつては 美人だったが、今はおばさんである)
エレン: 5分も呼んでたのよ!聞こえなかったの?
マーティ: 練習してたんだ。来週オーディションがあるからさ、練習しなきゃ。ちゃんと練習し なきゃスターになれないだろ?
エレン: ご飯も食べないでどうやってスターになるのよ
(エレンがキッチンに戻っていく)
マーティ: パパ、ドリル見なかった?
ジョージ: なんの?
マーティ: あのドリルだよ!クリスマスにパパに買ってあげた電動ドリル。昨日の夜使ってたん だけど。
ジョージ: すぐ見つかるさ
(エレンがテーブルに夕飯を置き、マーティが席に着く)
エレン: ジョージ、夕飯よ!
ジョージ: 今行くよ
(ジョージは座ったままボクシングの試合を見ている)
エレン: ジョージ!夕飯の時間だって言ってるでしょ!
ジョージ: 分かったよ今行くって 
(テレビがCMに入り、ジョージはテレビを食卓からでも見える向きに移動させる)
エレン: (マーティに向かって)学校はどうだった?
マーティ: まあまあ
エレン: 何か学んだ?
マーティ: うん
エレン: それは良かったわ

 (ジョージが席に着く)
ジョージ:(マーティに向かって)学校はどうだった?
マーティ: まあまあ
ジョージ: 何か学んだか?
マーティ: うん
ジョージ: そりゃ良かった
(ジョージがまたテレビに夢中になる)
(マーティが新聞をに目をやる)
(エレンが宙を見つめる)
(20秒間の沈黙。テレビからはボクシングの実況が聞こえる)
(エレンがついに口を開く)
エレン: ところで、思い出したんだけど、土曜の夜はステラおばあちゃんと中華料理を食べに行 くわよ
ジョージ: エレン、また中華かい?
エレン: ジョージ、 そんなに中華が嫌なら自分でどっか良い店探して予約してよね
マーティ: ってことはパパが電話しなきゃだね
ジョージ: そんな。分かった中華でいいよ。
マーティ: 土曜の夜は『パリのスプリングタイム・パーティー』なんだ。スージー・パーカーと 一緒に行くんだ
エレン: 『パリのスプリングタイム・パーティー』ですって。聞いた?ジョージ。あのパーティーまだ続いてるのね。
エレン:(マーティに向かって) あれは私達の初めてのデートだったわ。ジョージ、覚えてる?あの夜のことはすべて覚えてるわ。初めてキスした時のこと覚えてる?最後の曲を踊ってる最中で、エディ・フィッシャーの"Turn Back the Hands of Time"が流れてたの。私、あなたに誘われたときのことも全部覚えてるわ。あれはカフェテリアだった。あなたったらすごく緊張し ちゃって、コーンスープをこぼしちゃったのよね。 
(ジョージはテレビを見ていて、エレンの話は聞いていない)
マーティ: 僕、日曜の朝は家にいないかもしれないよ。スージーと湖に日の出を見に行くんだ。  
エレン: 日の出?なんのために?
マーティ: 見るためにさ
(ジョージは話がつかめず、またテレビに夢中になる)
エレン: それって、一晩泊まるってこと?
マーティ: だってそうしなきゃ日の出が見れないだろ?
エレン: 女の子と一晩一緒に過ごすなんて信じられないわ
マーティ: ママ、そんな堅いこと言わないでよ 
(裏口のドアを叩く音が聞こえるが、誰も出ようとしない。もう一度ドアを叩く音がする) 
エレン: ジョージ、出てくれない?
(ジョージは聞いていない。マーティが玄関に行く)

【裏口のドア】 
(マーティがドアを開けると、そこには47歳のビフ・タネンがいる。ビフは相手を脅すような大 きい声をしており、警備員の制服を着た腹はとび出ている。彼のネクタイはほどけ、シャツは ズボンからはみ出ており、明らかに仕事帰りである。彼の制服の肩には“特別警備員”と書かれ たパッチが付いている)
(マーティはビフを見ると不機嫌になったが、様子は変えない)
ビフ: おや、マクフライの不良一家じゃねえか
マーティ: なんか用?ビフ
ビフ: 少しは気を遣えよ、このアホ。俺は特別警備員なんだからな。

 マーティ: それがどうしたって言うんだよ。ゴルフ場であんたに気を遣ってるやつなんか見たこ とないけど。きっと皆んなあんたの仕事がどれだけ大変か分かってないんじゃないのか? 
ビフ: いいかよく聞け。アホみたいな面しやがって。俺はな.....
マーティ: なんの用なんだよ、ビフ
ビフ: オヤジさんはどこだ? 
(マーティがキッチンを指差す。ビフは壊れた電動ドリルと幾つかの工具を取り出す)

【キッチン】
(ビフがジョージに近づく)
ビフ: おい、マクフライ。なんて安モン貸してくれてんだよ。使った途端に丸焦げだ。もうちょっとでエンジンブロックがダメになるところだったんだぞ
(マーティが頭を振る)
ジョージ: ああ、ビフ。これは木工用なんだ、ほらここにそう書いてあるだろ?エンジンブロックになんか使っちゃダメだよ
ビフ: いいか、マクフライ。俺はこういう工具に関してはよく知ってんだ。こいつは使いもんに ならねえ安モンだ。エンジンがダメにならなかっただけ良かったさ。次にこういうモンを買う 時は必ず俺にひとこと言うんだな。工具の見分け方ってのを教えてやるからよ。
(ビフがジョージにドリルを渡す)
ビフ: おっと、それからもう一つ。俺ん家のガキがガールスカウトのクッキー売ってんだ。お前は4箱は買うだろうって言っておいたからな。俺を嘘つきにするんじゃねえぞ。
(ビフが去ると、ジョージは怯えながらうなずく。ジョージはマーティとエレンの方を向く) 
ジョージ: あいつどう思う?木工用ドリルをエンジンに使うなんてさ 
(マーティは怒って席を立つと、そのままリビングから去る)
エレン: どこ行くのよ

 (マーティは答える代わりにドアを思いっきり閉める)

マクフライ家 マーティ 夜】 
(マーティは銀色のポルシェのジャケットを着ると、玄関前の芝生を踏みつけながら歩いていく。彼は777と書かれた古い郵便ポストを殴り、ついで家族の車を蹴る)

【住宅街 夜】 
(マーティがスージー・パーカーと歩いている。マーティは怒りながら喋っていたが、落ち着き を取り戻す)
マーティ: パパったらいつも人の言いなりになってばっかりでさ。あんなにこき使われてるのに 何も言い返さないんだ。まったく人にされるがままだよ。
スージー: きっと自信がないのよ。少なくともあなたは父さんとは違うじゃない
マーティ: ああ、もう!あんなんでなんでママと結婚できたのか不思議でしょうがないよ。 
(しばらく無言で歩く2人)
スージー: お父さんとお母さんが一緒に寝てるところ想像できる?
マーティ: まさか!
スージー: 私もよ。うちの両親が結婚するまえ一緒に寝たことがあるのかってずっと不思議に思ってるわ。あなたのお父さんとお母さんは?どう思う?
マーティ: ありえないよ!うちのママがセックスだなんて。その言葉を聞いただけで発狂しそうな人なのに。僕達が土曜の夜一緒に泊まるって言ったときのママの顔、君にも見せてやりたい よ。いつだって何かやましいことがあるんじゃないかって心配してるんだから。
スージー: (ふざけながら色っぽく)でも土曜の夜は何かがあるんじゃない?
(マーティが答える前に、マーティの足にスケートボードがぶつかってくる。2人の子供がでこぼこ道を走っている。負けた方の子供が立ち上がる)

 (マーティはスケボーに乗ると、子供のいる方へ向かう。マーティは子供にスケボーの技を披露せずにはいられず、スケボーに乗って障害物を軽々と乗り越え始める。最後の障害物を乗り越 えると着地をきめてスケボーから降り、ついでスケボーを蹴り上げ、それをキャッチする。 マーティが子供にスケボーを返す)
子供: わあ!上手いんだね! 
(マーティはスージーに向かってにこっと笑うと、彼女のもとに戻る。スージーはとても感心している)
マーティ: 自転車に乗るようなもんさ、簡単だよ。 
(2人は家の前に来る。スージーがその家を見て、ついでマーティを見る。そこはスージーの家である)
スージー: ああ、着いたわ。
(2人はしばらく見つめあう)
マーティ: ありがと
(マーティはスージーにキスをする)
スージー: またね
(スージーが家の中に入る。マーティは彼女を見送ると、1人で考えに耽りながら道を歩き続け る。マーティが歩いていると、黒いセダンが彼の前に現れて通り過ぎていく。その車は屋根の 怪しげな装置をつけている。その車は道の先でUターンし、マーティの背後に来る) 
(車のヘッドライトがマーティに当たり、彼はそれに気づく。マーティは車を見ると、道の端に 寄る。車がマーティのそばに停まり、2人は捜査官風の男が出てくる。車にはN.R.C.という文字が書かれている)
リース: こんばんは。私はリース、こちらはフォーレー。原子力取締委員会(Nuclear Regulatory Commission)のエージェントだ
(リースが身分証を見せる)

 リース: ちょっとここに立ってもらってもいいかな? (マーティは警戒しながらも従う)
マーティ: どうかしたんですか?
フォーレー: 放射能チェックの巡回中でね
(フォーレーは放射能測定器を取り出し、マーティを検査し始める。マーティの足を検査するま では何も起こらなかったが、マーティがあのプルトニウムの近くに立っていた足を検査する と、機械は反応を示す。リースとフォーレーは目を合わせる)
リース: 身分証は持ってるかね?
(マーティはためらいがちにリースに財布を渡す)
マーティ: 待ってください、僕から放射能かなんかが出たんですか? 
フォーレー: そこまで危険なレベルじゃないから大丈夫だ
リース: マーティン、最近X線検査を受けたことは?
フォーレー: もしくは発光塗料に触ったとか
マーティ: いえ....
リース: 過去12時間以内にどこか変わった場所に行ったりしましたか? 
マーティ: いえ、家と学校とここだけです
フォーレー: 今日、2980のモンロー通り付近に行きました?
マーティ: どこのことです?
リース: 古いオペラ劇場のところさ
(マーティは少しためらう)
マーティ: いえ
(リースがマーティに財布を返す)
リース: わかったよ、マーティン。それじゃ、気をつけて帰るんだぞ 
マーティ: ああ、はい

 (リースとフォーレーは車に戻り走り去っていく。マーティは少しのあいだ考え、それから勢いよく走りだす)

【オペラ劇場 夜】 
(マーティはオペラ劇場に向かって通りを走っている。通りには、彼以外には道端に捨てられた 新聞くらいしかない。マーティは上の階に繋がるドアを開けようとするが、鍵がかかっていて 開かない。マーティはうしろに下がって上の階に目をやる) 
(すると突然、3階のドアが凄まじい爆発とともに吹き飛ぶ)
マーティ: 大変だ! 
(マーティは再びドアを開けようとする。それでも開かないため、彼は仕方なく窓を割って中に 入る) 
(マーティは研究所に繋がる階段を急いで上がる。部屋のドアにかかっていた鍵は外れており、 ドアの下から光が漏れている)
(マーティは急いでドアを開けて中に入る)

【鍵の"かかっていない"部屋】 
(教授が手作りの原子炉の横に立っている。それは古い暖房炉や湯沸かし器、ボイラー室の部品 などでできている。教授は片方の手にロープを持ち、ダイヤルとメーターを調節している) 
(猿のシェンプはその発明品についたレンズの先にある椅子の上に静かに座っている。シェンプ はいつものオルガン弾きのような服を着て、首にはデジタル時計がついている)
マーティ: 教授!
(教授はマーティを見て驚くが、作業を続ける)
教授: シールドの外に下がってろ!

 (教授は部屋の端にあるシールドを指さす)
マーティ: でも教授....
教授: いいから下がってろ!今から放射能を放つ
(マーティは急いでシールドの外に出る)
(教授がロープを少し引っ張る) 
(するとパワーコンバーターが動きだす。真空管からの低いうなり声のような音はさらに激しく なり、さらに静電気のパチパチという音とともに頻度を増していく) 
(シェンプは周りの音に興味津々で辺りを見まわしている。音はさらに大きくなり、緊張感が高 まる。そして時計がちょうど9時を指したとき、ブラウン教授はロープを放す。すると、高い音 とともに目の眩む赤いスポットライトのような光線が発射され、それがシェンプに当たる) 
(シェンプの姿が消える。シェンプが座っていた椅子の上半分も彼とともに消えてなくなってお り、光線の当たらなかった下半分の脚の部分だけがよろけながら床に残っている) 
(シェンプが消えたことでできた空間を埋めるように、風が研究室内を走りぬけていく) 
(機械の音は静まり、マーティ・マクフライは仰天してシールドの中に入ってくる)
マーティ: こりゃすごい!でもシェンプが消滅しちゃった! 
(ブラウン教授は頭を振り、笑みを浮かべる)
教授: いや、マーティ。シェンプは別な次元に無事に無傷で存在しとるんだ。
マーティ: じゃあ今どこにいるんですか! 
教授:いやそれを言うならばだ、どの時代に?と言ってくれ。わかるか、シェンプは世界最初のタイムトラベラーになったというわけだ。私はシェンプを未来に送ったのだ!未来と言っても 僅か2分先だがな。
マーティ: 未来?どういうこと?シェンプはどこにいるんですか!
教授: シェンプはこの部屋の中にいるんだよ、今から2分後の未来にな。正確に言うと、9時02 分にあいつはここに戻ってくるはずだ。

 マーティ: ちょっと、ねえ待ってくださいよ教授。それじゃあ、その、これってつまり、その..... 
教授: タイムマシンさ
(マーティは状況を理解しきれず腰を落とす)
教授: 成功するってことはずっと分かっていたんだ。33年前にこれを思いついたときからずっとな。だがそれに必要な動力がなかなか手に入らなかった。動力がなきゃどうにもならん。物質を光の速度まで加速させるのに十分なエネルギーが必要だったんだよ。だがそれがどうにも 見つからなかった、今日の午後まではな。
マーティ: あのコーラのことですか? 
教授: その通りだ
(教授はツアーガイドのような身振りでマシンの説明をし始める)
教授: このパワーコンバーターだが、これはコカ・コーラでできた化学薬品のおかげで今は最大能率で動いている。化学薬品のエネルギーは次元転移装置へと流れていき、それが1ミリ秒ごとに何ジゴワットかの電流を発する。その電流が、君がたった今見たような光線に変換されタ イムトラベルを引き起こすってわけさ。私がこのロープを放すと、その一連の流れが一気に引き起こされる。
マーティ: パワーコンバーターってのは太陽光で動くものだと思ってたけど、太陽がなくても大丈夫なんですね
教授: まあ、もし太陽からたった1マイルの距離にコンバーターを置けるなら太陽光でも問題な いがな。私が考えた方法ならもっと簡単に同じくらいの電力を得ることができるんだ。(ロープ を指し示しながら) 金属の棒が高く上がれば上がるほど、プルトニウムから強力なエネルギー が放たれる。それで物質が時を超えられるってわけさ。
マーティ: プルトニウムだ!それで用があって来たんですよ!教授、そんなのどこで手に入れた んですか?

 教授: なぜだ?
マーティ: さっき道で政府のエージェントみたいな人に止められて放射能検査をされたんですよ!きっとあいつらそのプルトニウムを探してるんだ! (教授は研究室のデジタル時計を見る。時計は9時01分50秒を指している)
教授: あと10秒だ!
(教授はシェンプが消えた場所へと急ぐ。マーティがあとに続く)
教授: 気を引き締めろ、急に現れるからな。
(時計が動いている。9時01分55秒... 56秒... 57秒... 58秒... 59...) (いきなりシェンプが現れる。椅子の上半分も現れ、よろけて倒れる。びっくりした猿は近くに あった機材の山の上に飛び移る)
マーティ: シェンプ! (ブラウン教授はシェンプを抱きかかえ、怪我がないのを確認すると、シェンプの首についた時 計を見る。シェンプの時計は9時00分10秒を指しており、研究室の時計は9時02分10秒を指し ている)
教授: きっかり2分遅れてちゃんと動いてるぞ!
マーティ: シェンプは大丈夫なんですか?
教授: もちろんだとも。あいつには凄いことが起きたという認識はない、あの椅子がいきなり倒れた以外はな。私達はシェンプに追いつくのに2分待たなきゃならんかったが、やつにとっては一瞬のことさ。
(マーティは教授の考えを探るように彼の顔を見る)
マーティ: 教授、つまり、これがあればシェンプを過去にも送れるってこと?
機械: 極性を逆向きにすればできるとも、理論上はな。 (ブラウン教授は"+"の向きになっているタイムマシンのスイッチを指し示す) 
マーティ:(興奮しながら)こりゃすごい!教授、これがあれば大金持ちじゃないですか!
教授: 大金持ち?

 マーティ: そうですよ!つまり、今日の新聞に載ってるレースの結果を過去に持っていけば..... 
(マーティは捨ててあった新聞からスポーツの記事を見つける)
マーティ: ほら、これと一緒にシェンプを過去に送れば、レースの結果が分かるんです。それで 勝つ方に賭ければ、僕達は億万長者ですよ!
教授: マーティ、そんなことしたら別の次元が生まれてしまう
マーティ: それがなんです?
教授: 分からないのか?もし過去にタイムスリップなんてしたら今までの歴史が変わってしまう んだぞ。私はそんな責任負いたくないね。
マーティ: せっかく大儲けのチャンスなのにもったいないなぁ
教授: 行くのは未来だけだ、マーティ。このマシンはそのために作ったんだからな。今からシェンプを24時間後に送る。もし良かった手伝ってくれ。
マーティ: ああ
(教授はマシンがある部屋から研究室へと出て行く。マーティは教授がいなくなったのを見計らい、新聞のレースの結果を破り取り、今日の日付に丸をつけ、シェンプのポケットへ忍ばせ る。さらに教授が見ていないのを確認し、マシンのスイッチを"-"に入れる)

【研究室】 
(ブラウン教授は窓際の机で何かを探している。教授はマイクロカセットレコーダーを見つける と、急いでマシンがある部屋に戻っていく)

【マシンがある部屋】 
(教授は部屋に内側から鍵をかけると、カセットレコーダーをマーティに渡す)
教授: これを持ってそこのパネルに立ってくれ。そこで放射線量を読み上げてくれ。ここであっ たことを全部記録しておきたいからな。85ラドに達したら教えてくれ。

 (マーティは言われた通りパネルのそばに立つ) 
(ブラウン教授は再び椅子をセットし、シェンプを座らせる)
教授: おいでシェンプ。大丈夫痛くないから。 
(教授は原子炉のそばに立つ。シェンプはマーティと教授の間に座っている。教授はスイッチが 切り替えられたことには気づいていない)
教授: 準備完了だ 
(教授がスイッチを幾つか入れると、マシンが唸りだす。教授はロープを慎重に引く。マーティ はメーターの数値をレコーダーに向かって読み上げはじめる)
マーティ: 放射線量、10ラド、数値は安定しています。43.16ラド。只今の数値、44.37ラド。 46.51ラド。46.73ラド。47...
(突然、N.R.C.のエージェントのリースとフォーレーよってドアが蹴り破られる。彼らの他には 警察と他のエージェントもいる。彼らは拳銃を持って部屋の中に入ってくる。数値は38に達し ている)
リース: 全員手を上げろ!
教授: 来るな!
フォーレー: なんてこった!原子炉だ!
(リースは教授に銃を向ける)
リース: (ブラウン教授に向かって)お前!止めろ!今すぐにだ!
教授: そんな!出て行ってくれ!実験の途中なんだ! 
(ブラウン教授は原子炉から離れようとはせず、ロープをさらに強く引っ張る) 
(フォーレーがブラウン教授を撃つ) 
(その音に驚いたシェンプは椅子から飛び降りる)

 (ブラウン教授は胸に弾丸をくらうが、まだよろめきながらロープを握っている。教授は倒れる と、ロープをできるだけ遠くへ引っ張る)
マーティ: 教授! (メーターを見る) 大変だ!ロープを放して!もう4200ラドだ!
リース: (マーティの言葉が聞こえなかった)なんだって??
マーティ: ロープを放して!!
(機械の大きな音で彼らの会話は全く聞こえない。マーティが教授のもとに走っていく。しかし、フォーレーはすぐにマーティに銃を向ける)
フォーレー: 動くな!! (マーティが止まる。マーティはちょうどレンズの真下に立っている。マーティが手を上げる) 
(教授は床に横たわっているが、まだロープを握っている。教授の手から力が抜け、ロープが放 たれる)
(光線がマーティを直撃し、白く光る)
(リースとフォーレーが驚く)
(マーティが上を見上げる) 
(カメラがマーティ視点に切り替わる)
(白い光が止むと、すべてが真っ暗で静かになる) 
マーティ: (声のみ) 教授?どこにいるんですか? 
(マーティはマッチで辺りを照らして見回すと、自分が物置きにいることに気がつく)

【物置き、マーティ、夜】 
(マーティは注意深く辺りを見回しながら歩いていくと、古い椅子に躓きそうになる。その部屋 にはいくつかの汚れた家具と木枠がある。マーティはもう一本マッチを擦り、ドアへ近づいて いく。それはさっきまでタイムマシンがあった部屋のドアを同じ位置にある。マーティはドア を開けようとするが、開かない)
マーティ: くそ!

 (マーティは窓に近づき、窓を開けると、車の音が静かに聞こえる。マーティは窓から外に出る。)

【オペラ劇場の裏、夜】 
(マーティは三階の窓から外へ出ると、非常階段から下へと降っていく。マーティが地面に降り立つと、ヘッドライトが彼を照らし、大きなトラックがマーティ目掛けて猛スピードで走ってくる。マーティは壁に身体を押し付けるようにしてよけると、トラックはギリギリでマーティをかわして走り去って行く。)
(マーティはほっと一息つく。)

オタ活日誌(2020年下半期〜2021年上半期)

2020年5月5日

ジーザス・クライスト・スーパースター(以下JCS)UKアリーナ版』
その少し前に無料配信していて周りのフォロワーさん達がわらわらしていたから、私も遅れて配信レンタルで観た。ハマった。そこからの視聴履歴が以下。

2020年5月9日 

『JCS1973年映画版』『JCS2000年版』

2020年5月26日 

『JCSスウェーデン版』『JCSウィーン版』

その他にもいろいろ無名の学校が上演した映像なんかも観ていたからたぶん5月だけでJCSを8種類くらいは観た。

2020年6月

新約聖書
JCSに出るにはどうすればいいのか考えた。まずは原作を読む必要がある。
福音書部分はすぐ読み終わり、後半のお手紙パートに苦戦。

2020年7月19日

National Theatre at Home『アマデウス』無料配信。
これがまた凄くて凄くて。アマデウスは映画版だけ観たことがあってストーリーは知っていたけど、聖書を読んでた途中、こんなにもキリスト教的な話だったのか!と全く新しい物語に触れた。

2020年8月1日

ところでこの『アマデウス』はモーツァルトを神の子の比喩として描いていて、彼は神の言葉を音楽を通して人々に伝える人なんだよね。衣装の隅々までにもそれが表れていて、特に受胎告知が描かれたマーチンのブーツはめちゃくちゃに可愛かった。あまりに可愛いので中古品を探して買ってしまった。可愛いね。

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2020年8月、9月

『聖書とキリスト教』『イエスの生涯』『ユダの福音書』『キリスト伝説集』『荊冠傳説』『ナツェラットの男』『ユダのいる風景』『ユダ心性史』『地に火を放つ者』『JUDAS』他
このあたりはひたすら聖書関連作品を漁りつつ新約聖書と格闘していた。JCSにハマった人が『ユダの福音書』に行き着くのはもはや定番の流れ。ようやく新約聖書を読み終えたのがたしか9月あたり。
この間もずっとアマデウスが尾を引いていて、モーツァルト関連作品にも興味がじわじわと。

2020年10月22日

ロックオペラモーツァルト』(2010年版)
まずはこれから。サントラは昔から聴いていて、宝塚版だけ観たことあったんだけど。フランス版は初見。とっても楽しい。とにかく曲が良い。そしてなんなんだあの主役を食うサリエリは。ハマる。

2020年10月31日

ロックオペラモーツァルト』(2011年版)
別のバージョンも映像化されていたのでそっちも観る。本当に曲と演出のお洒落さに力を全振りしている舞台だな。最高。さらにハマる。ハマって台詞の全訳を作ったりもした。

2020年11月3日

モーツァルト!』ウィーン版
モーツァルト関連作品と言ったらこれを忘れちゃいけない。
なんだこれ!すごいな!日本版と韓国版は観たことあったけど、ウィーン版はなんかもう全くの別物みたいだ!主役の人凄いな!これで初主演の新人とか本当!?
ウィーンが恐ろしい。さすが音楽の都。侮るなかれ。

2020年11月5日

モーツァルト関連作品を観ていたら私もウィーンの宮廷音楽家みたいにヒラヒラした服が着たくなってしまったのでこれを買った。素晴らしいヒラヒラだ。特に袖がヒラヒラしているのが良い。袖がヒラヒラしているとトイレで手を洗うのが少し大変だが、そんなことは気にならないくらい可愛い。

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2020年11月15日

エリザベート』2014年宝塚花組
ウィーンミュージカルと言ったらこれを観なくては。実は初見。これは楽しいよ!!
ところで誰なんですかこのルキーニ役の素敵な方は?
へぇ、望海風斗さんっていうのね… 

2020年11月20日

エリザベート』宝塚初演版

2020年11月23日

エリザベート』ウィーン版
やっぱ凄いなウィーンって!ルキーニ役のセルカン・カヤさんが恐ろしく上手い。

2021年1月16日

『ファントム』宝塚’18年雪組
望海風斗さん、私は完全にもうあなたのファンです。

2021年1月23日

『はじめてのドイツ語』

エリザベートになるにはどうすればいいのか考えた。まずはドイツ語を勉強する必要がある。

2021年2月8日

『fff-フォルティッシッシモ-』『シルクロード~盗賊と宝石~』ライブビューイング
望海さんの退団公演を観てきた。え、退団???

2021年3月5日

独検合格らくらく30日』
まずは4級から頑張ろうと思う。

2021年4月11日

『望海風斗ラストデイ』
望海さんが宝塚を退団した。え、まだ出会ったばかりなのに?私まだあなたの舞台を観に行ったことないのよ?

2021年4月20日

独検合格4週間neu』
引き続き頑張る。

2021年4月24日

エリザベートガラコンサート’14年花組版』
こんな幸運があって良いのか。望海さんのルキーニ役、もう絶対生でなんて観れないと思っていた望海さんのルキーニ役を、運良く生で観ることが叶った。こんなことがあるんだね本当。私は恵まれすぎている。

2021年6月27日

ドイツ語検定を受けてきた。受かってると良いな。ドキドキ。

2021年7月24日

ドイツ語検定に合格した。とっても嬉しい。結果は100点満で87.42点。次は3級を頑張るぞ!すべてはエリザベートになるため。

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(つづく…)

吃音と映画とエンパワーメント

吃音って何?

吃音症というのは、言葉が流暢に話せない発話障害のこと。同じ音を繰り返したり(連発)、初めの音が出なかったり(難発)、一つの音を引き伸ばしたり(伸発)してしまう症状がある。100人に1人の割合でいると言われており、幼少時に自然と治る人もいれば、大人になっても治らない人もいる。明確な原因と治療法は解明されておらず、研究もあまり進んでいない。

私には、難発と、言葉を発しようとして身体が無意識に動く随伴という症状がある。私はずっとこの吃音が恥ずかしくて大嫌いだった。

吃音とエンパワーメント

映画を観て自分の今まで恥じていた部分、嫌いだった部分を少しだけ好きになれた。そんな経験がある人は多いと思う。私にも何度もある。『アラジン』のジャスミンを見て白くないから美しくないと思っていた自分の肌を少しだけ好きになれたし、『ゴーストバスターズ』のホルツマンが低い声で吹替えられているのを聞いて自分の低い声を少しだけ好きになれた。

また、LGBTQ映画が増えてきた昨今では、映画にエンパワーされているLGBTQ当事者はとても多いだろう。私もその一人だ。私が初めてレズビアン映画を観たのは中学生の頃。『モンスター』という実在の殺人犯を元にした映画で、連続殺人犯の主人公はその恋人に裏切られ2人は離れ離れになってしまう。実話が元だからそれで全く不満はないけれど。しかし、その映画を観る前から、そして観た後も長い間ずっと、女性同士の恋というのは現実でもフィクションでも幸せな結末を迎えられないんだという感覚があった。それが今ではレズビアンカップル達は幸せにもなるし、結婚もするし、ときには子育てに悩んだり、共に大きな敵と戦って勝利したりもする。物凄い変化である。『お嬢さん』で手を取り合って敵を欺いたあの2人を観たときの感動と言ったら!幼い頃にこんな映画に囲まれていたら、私はもっと早くから自分のレズビアンアイデンティティを誇りに思えていたかもしれない。自分の属性を誇りに思えるというのは素晴らしいことだ。

そんな中で、私にとって一番好きになれない自分の属性、吃音を肯定してくれる映画があることはとても重要だった。中には肯定なんかしないで改善する努力をしろと言う人もいるだろう。しかし、明確な治療法もなく、理解者すらほとんどいない中で、既に自分の一部となってしまった吃音を肯定することで少しでも自己肯定をしようとすることのどこがいけないのだろうか。いけないわけがない!もう一度言おう、自分の属性を誇りに思えるというのは素晴らしいことだ。誇りには思えないまでも、ずっと恥ずかしくて大嫌いだった部分が「まあいいか」くらいに思えたらそれは大きな進歩である。映画にはそういう力があるのだ。

これから話すのは、私に「吃音症である自分」を肯定する手助けをしてくれた映画の話。

英国王のスピーチ

吃音を扱った映画と聞いて真っ先にこの映画が思い浮かぶ人は多いと思う。吃音症に悩むイギリス国王、ジョージ6世言語聴覚士の協力を得て世紀のスピーチに挑む物語である。

私が初めてこれを観たのはまだ自分の症状に吃音という名前があることを知らないとき。初めてこの映画を観てから引っかかっていたものを取り除くようにインターネットの海を彷徨い、ようやく自分が彼と同じ障害を持っていると知るに至った。そして、それを知ったあとの2度目の鑑賞はきっと生涯忘れられない体験だと思う。そこには今まで世界で私だけが悩んでいると思っていたことと全く同じことで苦悩している人の姿があった。この映画はまずオープニングからすごい。あのスピーチの一瞬一瞬の緊張感が吃音者には手に取るように分かるのだ。自分の出かかった小さな声を無駄に反響させるマイク、不審な物を見るような目でこちらを見る観客、静かな空間で自分を急かすように響き渡る動物の鳴き声。その全てが私が昔経験したそのままだった。あまりにもそのまますぎて私は観るのが辛く何度も停止ボタンを押そうと思ったが、それよりも目の前に自分と同じ悩みを持っている人がいることの感動が勝った。仲間がいたのだ。17年間生きてきてようやく仲間を見つけた。その感動と言ったら!ありがとうコリン・ファース! 『アナと雪の女王2』でエルサがShow Yourselfを歌ったときと同じような気持ちである。あの曲は本当に素晴らしいね。何かしらのマイノリティ性を持つ人なら誰もが分かるであろうあの初めて仲間を見つけたときの感動の歌。やっと見つけた!

サウスパーク

これは映画じゃないけれど、ご存知アメリカの過激で下品な風刺アニメ『サウスパーク』。この登場人物に吃音症と筋ジストロフィーという病気を持つ少年ジミーがいる。性格はロクな奴じゃないんだけど。しかし実は吃音症である私を初めて「エンパワー」してくれたのはこのジミーなのだ。

英国王のスピーチ』は私にとって初めて自分と同じ仲間の存在を知らせてくれた映画で、それを抜きにしても素晴らしい作品だ。しかし、ハンデを持った人間が努力して目標を達成するという話であることに変わりはない。私も努力はしているけれど、果たしてこの先上手く生きていけるんだろうか。努力しても失敗したらやはり私は無価値なんじゃなかろうか。そんな風に考えてしまうこともあった私にとって、目標を達成する吃音者の感動物語はプレッシャーになることもあった。でもサウスパークでは障害者が頑張ったからといって決して感動物語にはならない。障害者も健常者と同じく酷い目に遭うこともあるし嫌な奴なこともある。全くもって優しい世界ではないけれどある意味平等で、それが私には嬉しかった。特別扱いされずに皆んなと同じように過ごし、学校のコメディアンとして舞台にも立つジミー。性格は良くないけど、彼は私に「皆んなと同じように扱われて良いし、皆んなと同じことに挑戦して良い」と教えてくれた初めてのキャラクターだ。もう変な目で見られたり、馬鹿にされたりすることにはうんざりだった。私は、吃音症である自分のままで周りと同じように扱われたいとやっと思いはじめていた。

『IT/イット”それ”が見えたら、終わり。』

ペニーワイズでお馴染みのホラー映画。私はホラー映画に疎いからオリジナル版を観ていなくて、このリメイク版も初めて観たのは去年くらいなんだけど。私は子供の頃の自分にこれを観せたい。ここで登場する吃音症の少年ビルは主人公であり「ルーザーズ」のリーダー的存在。吃音症の子がリーダーとは!私はずっと自分の話し方で周りの人に迷惑をかけてはいけないとばかり考えていたから、この描写は本当に衝撃というか、嬉しかった。吃音症の子がリーダーとなって殺人ピエロに立ち向かっていくんだよ。なんたるエンパワーメント!  

上手く話せなくても仲良しグループのリーダー的存在になっても良いんだよと、仲間内で存在感を消さなくても良いんだよと、こんな簡単なことを学ぶのに私はなんと時間をかけてしまったことか。あぁもったいない!それに、一生懸命喋ってるビルはなんだか可愛いじゃないか。全然恥じることじゃないよ。そういうことを私はもっと早くに知りたかった。できればビルと同じかそれより小さい年齢のときに知りたかった。ちなみに私の推しはリッチーである。

ハイスクール・ミュージカル

観た人なら分かると思うけど、この映画は吃音とは全く関係ない。1ミリも関係ない。これは、幼い頃に好きだったアメリカの高校を舞台にしたミュージカル映画

私はミュージカルの世界にかなり憧れている。なんなら住みたい。ミュージカルの世界に住みたい。私がこの映画の世界に没頭していたのは、吃音という言葉を知るずっと前だが、それでも無関係とは言えない作品だ。なぜかと言うと、ほとんどの吃音症の人は歌を歌うときにはつっかえずに声が出るのだ。それなら、歌で会話をするミュージカルなら私は他の人と何の違いもなく話ができるわけ。言いたいことを声が出ないからと我慢する必要もない。苦手な面接だって歌にのせて志望動機が言えたらきっと上手くいくだろう。これは夢のようだ!エンパワーメントとは少し違うかもしれないけれど、こんな風に現実を忘れて理想の世界に簡単に行ける映画ジャンルがあるのは、それはそれで素晴らしいことだと思う。

ジーザス・クライスト・スーパースター

ミュージカルの話はさっきしたじゃないかって? 違うんだ、これはロックオペラなんだ。イエス・キリストの最後の7日間を描いたロックオペラである。

ミュージカルと言っても全ての会話が歌なわけじゃない。友達とミュージカルカラオケをすると、私はいつも台詞のところで声が出なくなってしまう。「じゃあ8時ごろ迎えに行こうか?」が言えないわけだ。ミュージカルの世界でも上手く生きていけるわけじゃない。とても悲しい。だけど『ジーザス・クライスト・スーパースター』は良いぞ。最初から最後まで台詞が全部歌だ。これなら私も救世主にだって裏切者にだって王にだってなれる。何にでもなれるね!素晴らしい!私は叶うなら、ロックオペラの世界で生きていきたい。なぜロックかと言うとそれは単純にロックの方が好きだからだ。「夢が叶うなら〜皆んなのように〜話したい〜♪」と私はいつも塔の上から街を見下ろすカジモドのように考えているけれど、世界がロックオペラになればその夢はいとも簡単に叶う。たまにはこんな風に現実逃避したって良いじゃないか。ロックオペラ万歳! 

ちなみにこの『ジーザス・クライスト・スーパースター』は色々なバージョンがあるけれど、私のイチオシは2012年のUKアリーナ版。現代風な演出がとてもかっこいい!

志乃ちゃんは自分の名前が言えない

さっきまで散々現実逃避して急にド直球の吃音を扱った映画の話をするけれど、これは昔の自分を見ているような気持ちになる映画。エンパワーは全くされていない、むしろ私がこの主人公・志乃ちゃんをエンパワーしたいくらいだ。私も吃音を扱った映画を観てエンパワーする側になりたいと思える時がくるとは随分と時間が経ったものである。  志乃ちゃんは自分の吃音を恥じて、周りに迷惑をかけるのを申し訳なく思い、人と積極的に関わることが苦手な高校生。そんな彼女が友人と音楽との出会いを通して徐々に心を開き自分自身と向き合っていく。彼女が最後に行き着く結論はとても素晴らしい。抱きしめてあげたい。だけどちょっと待て、私はこの映画で説教したい登場人物が今思い浮かぶだけでも3人はいるぞ!その人達への批判なしに志乃ちゃんだけに精神的成長を求めるところが私はなんとも納得いかないのだ。他人を責めずにちゃんと自分と向き合った志乃ちゃんは本当に偉いよ、だけどあなたを傷つけてきた他の人達は反省してないどころか傷つけたことにすら気づいていないじゃないか。 

私が最後の最後にこんなことを書いてるのは、何もこの映画の悪口が言いたいからじゃない。今こう思えるのは、ずっと志乃ちゃんみたいに自分だけを責めてきた私がやっと他人に対して、ひいては社会に対して批判的な目を向けられるようになったということ。これも大きな成長なのだ。この映画が好きな人ごめんね。

おわりに

他にも映画に限定しないなら三島由紀夫の『金閣寺』とかも語りたかったけれど、今回は我慢してまとめのお話。私が今、自分の吃音を好きにはなれなくても「まあいいか」くらいに思えているのは、こういう素晴らしい作品達のおかげである。

最近よく話題に挙がる「レプリゼンテーション」という言葉。このレプリゼンテーションって一体何のためにあるのかを考えてみてほしい。もちろん正解は一つではないけれど、私は、より多くの人達をエンパワーして良い人生を歩む手助けをするためじゃないかと思う。今より表現に多様性がない時代、映画からエンパワーしてもらえるのはほとんどの場合、白人、健常者、異性愛者と言ったマジョリティの人達だけであった。私は非白人で障害者で同性愛者で、何よりも映画が大好きだ。だから、映画をそんな風に一部の人達だけのものにしておくのはあまりにもったいないと思う。

レプリゼンテーションが大事って言われるのをポリコレでつまらなくなるなんて思ってる人もいるけれど、レプリゼンテーションって本当に大事。映画はただの娯楽だけじゃない、現実の人の人生をより良くする力を持っているのだから。

Just Breathe(from “The Prom”)日本語歌詞

※歌のリズムに合わせて作ったので訳はざっくりです。


(エマ)
分かってる
インディアナの町では
レズビアンなんて受け入れられない

自由に生きられるのは
サンフランシスコぐらい
でもこの町じゃありえない
女の子同士の恋なんて

大丈夫 エマ
良い人もいるはず
大丈夫 エマ
外の世界には

目を閉じて 冷静に
楽しいこと考えて
生き抜こう今日を

分かってる
くそったれだよみんな
こんな町
さっさと抜け出そう

プロムに女の子を 誘っただけなのに
今じゃ家族はバラバラ
こんなはずじゃなかったのに

大丈夫 エマ
海を思い浮かべて
大丈夫 エマ
無理なら薬飲んで

嫌なこと吐き出そう
ブログでも書こうか
その怒りを堪えて

大丈夫 エマ
ゆっくり深呼吸
大丈夫 エマ
ロクな町じゃないけど
嫌な奴が相手でも 優しく微笑んで
大丈夫
きっと

Ring of Keys (from “Fun Home”)日本語歌詞

※歌のリズムに合わせて作ったので訳はざっくりです。


(アリソン)
「父さんは気づかなかったけど、私は彼女が入ってきてすぐに気がついた。
彼女は配達員で、大きな荷物を抱えて、いかにもレズビアンって感じの人だった。」

誰かが入ってきた
見たことないような人が
私... 私...

どこから来たのか
知りたい
なんて
私...

その自信に溢れた態度とその服
ジーンズ ショートヘア ブーツ
そのリングについた鍵の束

いけないことなのかな
でもあなたは強くて
私...
その...

勘違いかもしれない
でも私達は似てる
私...

その自信に溢れた態度とその服
ジーンズ ショートヘア ブーツ
そのリングについた鍵の束

届いてほしい私の声
どうして誰も気づいていないの
あなたは綺麗

じゃなくて...その...

かっこいい

その自信に溢れた態度とその服
ジーンズ ショートヘア ブーツ
そのリングについた鍵の束

わかる
あなたが
わかる